クロスファンクショナルIACとは

クロスファンクショナルアイアック(CF-IAC)とは

IAC(アイアック)とは、GEをはじめ、1990年代に大躍進した米国のエクセレント・カンパニーが導入した経営手法です。フランシス河野がTRWのエグゼクティブオフィスに在籍していた当時にGEの経営監査を参考として、完成させたのが、このIAC(Internal Audit & Consulting)です。そして、クロスファンクショナルアイアック(Cross Functional IAC)とは、フランシス河野のTRWでのIACの実践に加え、その後の経営者としての経験を加味し、伝統的なマネジメントのコンセプトを組み込み、日本企業に合った戦略的な経営手法として新たに構築した実践的経営手法です。


それは、経営改革への強い意思がある経営者の下、内部監査機能を備えたIACメンバーが、プロフィットドライバーとなる社内改革のテーマを見付けだし、恒常的に収益力を強化する仕組みを作る、日本には無かった、企業経営の手法です。

IACの組織としての特徴

CF-IACではIACというトップ直属の組織を設け活用していきます。ここでは、IACの組織としての特徴をご紹介します。

1.IAC部門は、「トップ直属の社内改革チーム」

社内から選抜された中堅社員が所属部門から転籍し、取締役会や経営トップの直属チームとして活動するのがIAC部門です。選出にあたっては所属部署での成績に加えて、コミュニケーション能力、リーダーシップ、仮説立案力(ビジネスサビー)などの「マネジメント適性」を重視します。
IAC部門は経営層への事実に基づいた提言を行う機能を持ちますが、指示命令権はありません。それ故、経営層はIAC部門との密接なコミュニケーションを行い、IAC部門からの提言に基づいて経営判断を下していきます。現場任せの改善とは異なり、経営トップに現場が見える状態で、経営トップと現場が協力し、改善を行っていきます。

IACの基本概念

2.徹底した「草の根主義」

IACメンバーの基本姿勢は「草の根」です。既存データを鵜呑みにせず、おかしいと思ったら原帳票を引っ張り出して照合したり、関係者や顧客、仕入先に直接ヒアリングを行うなどして、最前線の真実を「把握」することを最も重視します。
経営トップが一つ一つの現場を自ら個別に見ていくことは事実上不可能です。
IACメンバーは現場を「草の根」的に見ていき、隠れたビジネスチャンスやリスク、埋もれている人材などの「利益の種」を発掘し経営トップに伝えます。また、現場において戦術が動いているかどうかについてもIACメンバーは見ていきますので、経営トップは戦術の現場での浸透度合いを把握することが可能になります。

3.ミッションは「プロフィット・プランニング(事業戦略)」

IAC部門に課せられた使命は「プロフィット・プランニング」です。
IACメンバーはどうすればより儲けられるか、あるいは問題を回避することができるかを常に考え、経営者に改革案を提言していきます。
監視色の強い内部監査室と異なり、IACメンバーは担当部門の収益を増やして初めて、成果をあげたとみなされますので、IAC部門は単なるコストセンターではなく、プロフィットセンターであると言えます。

4.各分野の「専門家」がクロスファンクショナルにバックアップ

IAC部門の活動を円滑にするため、IACメンバーは通常、財務・人事・技術・法務などの各分野の社内外の専門家への直接の接触が許されます。
IACメンバーと専門家は互いによく機能しあい、彼らの知識やスキルがIACメンバーに活用されることによって、IAC部門はより良い実態分析や提言をすることができるのです。
こうした専門家のサポートを受けながら、IACメンバーはクロスファンクショナルに利益の種を探していきます。